gozo rop

頭の中

ミラノ風な話

高校生の頃までお気に入りのイヤフォンが
なかった

というのもイヤフォンの良し悪しが
わからなかった

雑誌とかで全面にパーンどうでしょう!と
特集されていても実際に聞いてみないと
わからないしそもそも自分がどんな音が好みなのかすらわからなかった

とりあえず中学生の僕は
ビックカメラへと走った

ビーックビックビックビックカーメラ♪

ここがイヤフォン ヘッドフォンコーナーか
一個一個聞いていこう

ほうほう

なるほど


あれだ

同じ曲で試さないとわからないのか

全然違う曲聴いてた

音楽機器無い人が
好きな曲聴きに来ただけみたいだ

とにかく恥ずかしい
こういうの恥ずかしい
中学生の頃の僕はToo shyなのでお店に一人でいることすら緊張してしまう

あせがしたたるー
可愛い時期もありましたね

同じ曲で試そう
aikoのbeatという曲を流す

楽器が一つずつ重なってくる曲だから
音の感じとかエトセトラがわかるだろうえぇぇ?と思い
それで試していく

ほうほう!

なんとなくしかわからねぇぇ!

安いのがいいわぁぁ!

ってなった

だから僕のお気に入りのイヤフォンなんです!と言うほど運命的出会いができない

よくよく考えると電気屋に売ってる
イヤフォンもヘッドフォンも種類に限りがある

かといってネットで買って
聴いて違かったら落ち込んじゃう

全部試したい
全部きいてみたい

あーー
そんなこと思いながら
とりあえず梅水晶と言わんばかりに
オーディオテクニカを使っていた

高校にぶち上がり
数少ない友達と遊びに遊んでる時
サイゼリヤの隣で

後輩が首にヘッドフォンを装着していた

めちゃくちゃ気になったから
聴かせて!

と借りてaikoのbeatを流して再生ボタンを
押した瞬間に

世界がかわった

サイゼリヤの空間に
イントロのベースとピアノのサウンドが響き渡る

最初はみんな唖然としていたが
少しずつ肩がノッてくる

途端に店員さんがタンバリンを軽快にかきならす

ドラムのビートが入ってくる
ベースとバスドラムの低音が直接
胸に語りかけてくる
「ご注文は以上でよろしいですか」と

俺の身体の中のミラノ風ドリアが
「はい!」と返事をするように
グツグツとリズムに合わせてハジけ出す

まるでバイオリンかって勢いで若鶏のグリル ディアボラ風をナイフでリズムよく切る男性

ノリノリで永遠にキャベツのペペロンチーノを巻く女性達

そしてバンドインと共に
天井の天使たちがブレイクダンスを踊り出す

たらこソースシシリー風のたらこの粒が
宙に浮いて綺麗に光り出す

もうここはダンスホール

みんながいっせいに立ち上がり列になって
踊り出す
いつ練習してたの!!

まあいいや!俺につづけー!

最後のキメが揃ったところで
みんなが席に帰っていく

あれ?

フルで聴くじゃん!
友達の声で起こされた


どうやら曲の中に入り込んでしまっていた

なんだこのヘッドフォンは

なにこれ!、よすぎる!

ずーっとドンピシャの物が見つからなくて
探しててさ
めちゃくちゃ好きなんだけど
これ欲しすぎる

隣駅の電気屋にありますよ
でもあと20分で閉まっちゃいます

え!
お揃いになっちゃうけど大丈夫??

はい!

やったありがとう

お会計!お会計!
4人で隣駅の電気屋まで走った
青春だった

Beatsのヘッドフォンに出会ってから

人生かわった
ドンシャリなヘッドフォン
好みのものに初めて出会えて嬉しかったんだ


これ 
Beatsのmixr

写真が無いのは
もう壊れたからでっっす


つづく




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