gozo rop

頭の中

なか卯

ライブ日、お腹が減ったので
合間を縫って

目の前にある、なか卯に入った

なか卯に行くと
別の店舗だけど
昔行った時にいた
いらっしゃいませを
いらっしゃいまそ と言う
店員さんを思い出す

あれはなんだったんだろう
罰ゲームとかであってほしい

あの人は元気にやってるかな
でも逆にまだソでいて欲しさもある

そんなこんなで
カウンターに座り
決まって頼む
親子丼と暖かい小うどんの券を渡した

新宿店だからなのか
僕以外のお客さんは皆外国人
店員さんも外国人

卵とじされたような状態で
親子丼を待つ

親子丼が届いた
やっぱりいつ来ても
美味しそうなこの卵の輝き

さっきから気にはなっていたけど
店内に大きめの蛾が一匹
飛び回っている

まるでスポッチャかのように
ここは蛾界のスポッチャなのかもしれない

そんなことより親子丼
特殊なスプーンですくって食べていく
こりゃ美味い

2杯3杯も止まらぬスピードで
食べ始めた
すると蛾が急旋回して
僕の方に向かってきた

こりゃまずい
親子丼の器を持って
蛾をかわす

そのまま蛾は他のお客さんの方に
飛んでいく

ヒヤヒヤした
まるでスポーツ

こちら側までもスポッチャだったとは

しかし蛾なんて
飛んでるだけじゃまだ危険性は薄いと
半分余裕を見せていた僕の表情は一変した

その蛾は色んなところに止まりはじめた
飛んでは着地し、その繰り返し運動を
始めてきた

これはやばい

俺は親子丼の器を守れたとしても
小うどんは守れない
逆も然りだ

僕は察した
これは早く食べるということが
一番の勝利方法だということを

黙々と親子丼を頬張る
時に小うどんをすすりながら
ただ、ただ蛾が来ないことを
必死に祈りながら

2つ右の席の女性の近くに
飛んでくる
女性が手で払おうとした瞬間に
彼女が食べている親子丼に蛾が止まった

くそ、彼女がやられた
ちくしょう

なんちゅうサバイバルゲームなんだ
このスポッチャは

食べ終わって
ご馳走様でしたと自動ドアを開けた瞬間に
その蛾は新宿の街に飛び出していった









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