ヴィレバンの話

最近は外に出る時は必ずマスクをしてます

秋花粉とか、なにもないと思って意外と

色んなものを吸い込んじゃってるから

少しでも喉を労わるためにも

してるわけです

でも色んな人見てると

マスクしてる人多いよね

学校のパソコン室でも

おい！それもう風邪菌そのものじゃん！って

レベルの咳してる人が沢山いたから

流行ってるのかね

めちゃくちゃ寒くなってきたもんね

そんなこと思いながら

ヴィレッジバンガードに入る

イヤホンで流れる曲がThe Cheseraseraの「東京タワー」に変わる

ルンルン気分で店を歩く

そう、スマホスタンドを探しにきたのだ

あるかなぁ

あっこれ姉が貰ったって言ってた

ワイヤレス充電器か

あ、あった

これ持ってたやつと似てていいな

箱の後ろを見ようとしたら

固定されてて裏返せない

スマホ関連アイテムは購入者が多すぎて

ご用がありましたらスタッフまで！みたいな

ピンで固定されてるのね

色んなアイテムがあるんだ〜

と眺めてたら

いきなり視界の中に「ぴょんっ」と

女の人が顔を出した

動作にタイトルをつけるなら「やっほ」

だった

赤いセーターで黒髪ロングの

かわいい女性が「やっほ」の動作で

まっすぐ目を見つめてきたので

まっすぐ目を見返しながら

2秒間くらい頭の中で「細胞」と書かれた全身タイツを着たやつが

思考の錆びた自転車をガーシャガシャガシャガシャと漕いで漕ぎ回して

辿り着いたのは

これはもしやこの女性は

誰かと待ち合わせしてて

間違えて俺に話しかけてしまったのか

という答えだった

マスクもしてるし

顔なんかわからなくなるだろうから

きっと誰かと間違えたのだろうと

パニックだったのもあるが

俺はあなたの待ち合わせの人ではないよ

という意味を込めて

彼女を見ながら

首を横に小刻みに振った

するとその女性はまだ見てくるので

ちがった！？と思って

左耳のイヤホンを取ると

女性が「お名前は？」

と軽くニコッとしながら言った

なにこれーーーー！

名前？待ち合わせしてるとしたら名前を聞くことはないしだとしたらなんだ

でもあのニコッ！は完全に一回会ったことあるような微笑みじゃないとできないニコッ！だったぞ

これは一体なんなんだぁぁ！

脳の中の「細胞くん」も立ち漕ぎ状態で

ガシャコンガシャコンガララララと

漕ぎ続ける

....

ガシャコンガシャ待てよ

もしかして....出会い系？

出会い系だったとしたら待ち合わせる時に

お名前は？みたいな感じで

合言葉としてお互いを認知させるのでは

ないと考えた(※出会い系したことはない)

だとするとこの女性は

出会い系で待ち合わせてる男と勘違いして

俺に声をかけてしまったんだ、そうだ

そうに違いない

このままこの女性と出会うという

手も考えたが

いや！すみません

この場合しっかり自分の名前を伝えて

すみません！間違えてしまいました！

全然大丈夫ですよ！！みたいに

いい雰囲気で終わらそう

そう誰も悪くないのだ

そうして

女性の「お名前は？」という質問から

時間にしてものの3秒

脳内の自転車に乗った細胞くんがウォータースライダー中をかけ抜けては足を崩し、自転車もろとも一緒に流されながらも辿り着いた自分の中の答えをえええい！と

「ほりうちです」

と返したら

女性側がほんのちょっと苦笑いしながら

２秒間くらい固まったので

なんかごめん 

だよね

と思ってたら

「吉沢亮さんじゃないんですか？」

と言われて

「えっ」と

２秒間固まった

そういうことか

流れ落ちた自転車と細胞くんが

ウォータースライダーの来た道を

時間が巻き戻るかのように運ばれていく

そういうことね

なんか色々ホッとして

「めっちゃ言われるんです〜笑」

と返した

女性

「わたし、アイドルやってまして、昔吉沢亮さんと共演させていただいたことがあったんですけど、ほんっとに似てて間違えちゃいました」

「そうだったんですねぇ笑」

といい感じにすることはでき

女性

「今日イベントでヴィレバンに来てたんですけど、、まあよかったらお店見てってくださいね」

「ありがとうございます笑」

最後店員みたいに言ったな笑

しかしマスクしてた にしても

一度共演した人も間違えちゃうくらい

似てるんだから

一度会ってみたいもんで

ございます

会って幽体離脱するのが夢

いつか叶えます

なんかスマホスタンドのこと

どうでもよくなっちゃった

帰ってネットでみてみよ

今日のrunrunrun