売った話

昔ゲームばかりやってた

三度の飯よりゲームだった僕は

ゲームをやりすぎて母親にゲーム脳と

言われたこともあるし

ゲームのことで友達ともめたこともあるくらいゲームと寄り添ってきた人生だった

その数々のゲームは

棚に入りきらなくなっていき

次第には

ベットの下に入れることにした

僕のベットの下には夢が詰まっていた

今まで僕を作ってきたゲーム

いわば自分と同格の存在

自分＝ゲーム

ゲーム＝自分

げぶん＝じーむ 

これに関してはベットの下に詰めておこう

そう

そのゲームをこの前思い切って

すべて売りにいった

自分でもよくわからないけど

思い立ってしまったんだからしょうがないじゃないか(えなりかずきGAMES)

ちょっと数が多すぎて

紙袋に入れても数が多すぎてしまうし

道中でビリビリに破れてしまったら

立ち直れない

裸で街中に立たされた人みたいに

見ないでと願うだけの人間に成り下がる

それは嫌だ

旅行用のガラガラトランクの中に詰め込んでそれでも入りきらなかったから

紙袋と

リュックに詰め込んだ

右手にトランクを左手に紙袋を

そしてリュックを背負いながら

ゲーム屋へ向かう

すれ違う人達と目が合う

旅行に行く人だと思われてるんだろうけど

全部ゲームだってことをアンタたちは

知らないのだろう？え？

そんなこんなでゲーム屋に着いた

さすがに気を使って朝早めに行った

お店に着いて

「ゲームを買い取って欲しいんですけど」

というと

「はい！」

と店員さんがいきいきとこたえ

視線が紙袋に行くのがわかった

紙袋をテーブルに置き

それだけじゃないぜあにき

と言わんばかりの形相で

リュックからゲームを出し始めた

店員さんがなに！こやつ！

といった表情をしていたのは

今でも覚えている

リュックからも出し切った後に

店員さんも

ターン終了ですか！？

みたいな空気を出し始めたところで

はい！どーん！

と言わんばかりのテンションで

おもむろにトランクを横に倒し

開け始めた

店員さんとその隣にいた店員さんが

おーまじか！！ひょげええええ

という表情をしていたのは

今でも覚えている

店員さんがトランクから出すのを手伝ってくれた

その店員さんもこんなに大量に持ってこられたことがないので

汗をすごいかきながら

あたふたしているのを感じた

「あっあのあとえと〜 あのえと

査定に時間がかかりますますので 

お名前とおでんば ばんごうさきをお伺いし してもよよろしいでしょうか」

めっちゃテンパってますなアニキ

「ホリウチです」

「ホソウチ様」

「ホリウチです」

「あっホソウチ様」

「ホリウチです！」

「ホソ…ホリウチ様でっですね」

このテンパリ具合はすごい

テンパリすぎて直そうと直そうと意識することによって逆にミスしてしまうあれね

仲良くない人と話題を盛り上げようと優しくしようと意識すればするほど裏目にでるあれね

ごめんなさいこんなゲーム持ってきてしまって

そんなこと思いながら自分もゲーム屋で

トランクを広げるのはさすがに恥ずかしかったので汗ダクのつゆだくスペシャルだ

査定に5時間くらいかかると言われたので

一度帰って寝た

どれくらいするんだろう

でも最近のゲームもあるし

高値で買い取ってくれたらいいな

そしたら焼肉いきたいななんて

夢物語を網の上でジュージュー焼いてたら

電話が来た

査定が終わりましたので

お待ちしております

やったぞ

気になるな

急いで向かった

受付のいつも綺麗なテーブルには

僕が持っていった大量のゲームが積まれていた

僕から見て左と真ん中と右に

3つに分けられて積まれていた

右にめちゃくちゃ積まれている

 

ホリウチです

(ホソウチじゃなくて    な！)

↑そんなに気にしてないです すみません

お待ちしておりました！

あのですね

今回合計72品ございまして

この右に積んである42品は

値段がつかなかった商品です

なにぃぃぃぃぃぃぃいーー！！

72品持っていって

半分以上が値段つかないとは

驚き価格すぎる

まあまあなるほど

そして

新品のゲームがあるのですが

こちらの店舗は中古のみ買い取ってるので

ご自身で袋を開封していただけませんか？

昔の自分がアホすぎて

失くしてたと思って買ったゲームを

見つけてしまったり

買ったけどそのままプレイしてないゲームなどもあった

あ！はい！

とゲーム屋の受付でただ無心で

ゲームの袋を開封して店員に渡す作業は

なんとも言えない気持ちだった

あれは死ぬ前に経験してよかったと思う

値段がつかない商品はこちらで処分させていただくことも可能ですがどうされますかと

聞かれて

持って帰ってもしょうがないしと思って

40作品を手放してしまった

買取値段がつかない商品がここまであるとはおもわなかったからびっくりした

しかし買い取ってもらえても一円とか

そういうのを見ると悲しくなるねえ

その作品と共に過ごした思い出や時間は

なににも代えられないというのに

じゃあ売るな！

さーせん！

30作品買い取ってもらえて

12043円だったので

焼肉食べにいきました！

タン塩うますぎ！

おやすみ！ 

部屋が綺麗になったし

またプレイしたくなったら

本当にプレイしたい商品を買おうという

気持ちでやったりました

ゲームを売っても

思い出やデータはメモリーカードから

消えません

はい！

今回は閉めさせていただきます